リアル脱出ゲーム「廃倉庫からの脱出」参加レポート!


はじめまして。としおと申します。

関東在住の何の変哲もないハチヨン生まれでございます。

最近までwebディレクターとして働いていましたが、何を血迷ったか退職なうしてしまい、時間が取れるようになってしまいました。次にまとまった時間が取れるのは定年後だぞ、なんて言われたあの頃がウソのようです。

このコラムでは、そのまとまった時間を使って経験したことのない色々なことに挑戦し、感想などを皆様にお届けしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

さて皆さん、脱出ゲームというものをご存知でしょうか。

Wikipediaによると、脱出ゲームは「密室などの閉鎖環境に閉じ込められたという設定で、そこから脱出することがゲームの目的である」とされています。つまり、映画で言うところのSAWやCUBEのような密室空間や迷宮から、プレイヤーが主体となって脱出を試みるというアドベンチャーゲームのことです。基本的にはFlashゲームを指していますが、これを「リアル」でやってみようというイベントが、ここ数年で密かな盛り上がりをみせています。

その名を「リアル脱出ゲーム」。

フリーペーパーの発行などを行う株式会社SCRAPさんが企画・制作を手がけており、「リアル脱出ゲーム」の名の通り閉鎖された空間からの脱出劇をリアル―現実で行おうという試みです。元々は関西発のイベントでしたが関東でも開催されるようになり、東京ですでに4回目だそうです。さらに今回はニンテンドーDSソフトの「極限脱出 9時間9人9の扉」が協賛しており、シナリオを担当した打越鋼太郎さんも謎作成の企画に参加したとのこと。ゲームに関連したものも含まれる怪しげな謎の数々を”廃倉庫”という魅力的なロケーション下で解いていくことになります。もちろん私は初参加ですが、この状況にワクワクしないはずがありません。(本当に死が絡んでいたら逆に泣きますが)

いざ参戦!無事に脱出できるのか?

公演は全部で28公演。定員は1脱出78名とのこと。私は1月11日(月)の12時からの回に参加しました。今回会場となるのは、横浜はみなとみらいのBankART Studio NYKという建物です。

正月明けの午後起床が染み付いてしまった体に鞭打って午前中から冬の横浜、みなとみらいへ。休日に恋人たちが集うみなとみらいに一人で行くなんて何の罰ゲーム!?かと思いましたが、よく訓練されているので大丈夫です(何が?)

最寄り駅の馬車道駅に到着。横浜らしいレトロな建築物を尻目に会場に向かいます。

会場につくと、スタッフさん達がお出迎え。事前に購入していたチケットと引き換えに、黒電話が印刷されている名札とチラシたちをもらいました。

奥に案内されると、そこはまさしく”廃倉庫”という名にふさわしいようなコンクリートがむき出しの空間が広がっていました。勝手がわからずビクビクしていましたがとりあえず待っておけということのようなので、そこでしばし立ち尽くすワタクシ。周りには和気あいあいとしている方々も見受けられました。どうやら複数人で参加している方々もいる様子。

ほどなくしてスタッフさんからアナウンス。

参加者には電話や鳥などのマークが黒抜きor白抜きで描かれた名札を渡しており、その黒抜きor白抜きで別々の部屋に入ってもらう。そこでは同じマークの数名でチームを組んでもらうとのこと。アナウンスに従って黒抜き名札用の部屋に入ると、そこにはいくつかのテーブルと椅子がありました。同じマークが書いてある机を探して着席。テーブルの上にはメモ用紙と解答用紙と封筒と鉛筆…。また辺りを見渡すと、謎のポストと謎解きの鍵になるであろうヒントの数々が目に入ってきます。否が応にも期待が高まる!

チーム内で簡単な挨拶を交わしていると、スタッフさんがゲームの説明を始めました。
まとめると、以下のような内容でした。

・部屋の中にちりばめられたヒントをもとに与えられた謎を解くこと。
・謎を解くには、壁を隔てた向こう側にあるもう1チーム(封筒に相手チームのマークが書いてあった)と情報交換をする必要があること。
・相手の部屋には行けないため、情報交換には用意された封筒・ポストを使用すること。受け渡しはポストマンが定期的に行う。(これは画期的システム!)
・答えがわかったら解答用紙を判定員のところに持ち込むこと。
・制限時間は約1時間

さらに、この倉庫には全員で声を合わせると癒しの力が出現するという旨の謎のメッセージも伝えられました。
明らかに謎解きのヒントだ…!と思いつつもこの時点ではなんのことやら。とりあえず頭の片隅に留めておくことに。

スタッフさんの説明も終わり、さぁこっからが本番!チームの全員が席を立ち、それぞれが情報収集に向かいます。張り付けられたヒント、見るからに怪しげな殺人現場、さらに投映機が映し出す謎の暗号…とにかくヒントになりそうな情報は全部メモ!ちなみにこのとき、普段ありえない状況だけにメモをとりつつニヤニヤしてしまいました。一応(設定上は)閉じ込められてるんだよアンタ…。

まとめた情報をもって、チーム同士で謎解きに挑戦です。さすがに一筋縄で答えられるものはありませんでしたが、まずは向こう(白抜きの相方)チームに情報を送らねばということで、さっそくヒントを書いた紙を封筒に入れてポストに投函。そこからは、さらにヒント集め、メモ書き、ポストに投函、帰ってきた封筒に入っているヒントを元に謎解き、解答の繰り返しでした。

この段階ですでに少し焦り気味。最初、1時間ってけっこう長くない?と少し思ったのですが、全く見当はずれでした。主催者からはまるでヒントの無い状況、繰り返される「残り◯分です」のアナウンス…。「これはどういう意味?」「向こうからの郵便が来ない!」「さっき書いたヒント、向こうはわかったかな…?」逆に「これなんて読むんだ…?」なんていう、不安が渦巻く中での試行錯誤。まさに極限状態の中での1時間なんて、長いわけはないのでした。

おまけに制限時間も半分ほど経過したころだったでしょうか、このゲームの肝であるポストマンが仕事を放棄しだす始末。なんでも当日が誕生日だったそうなのですが、それを忘れられた彼が悲しみのあまりに起こした行動なのだとか。

この時間の無い中なんてこったい!と思ったのも束の間、全員で「ハッピーバースデイ・トゥーユー♪」の大合唱。不思議な力が降り注ぎ、ほどなくしてポストマンはやる気を取り戻し、仕事を再開したのでした。

もちろんこれは、最初にアナウンスされた「倉庫で全員が声を合わせると癒しの力が現れる」というヒントを元にした行為ですね。まさか参加者全員で力をあわせる場面が来るとは思わなかったので、これには興奮しました。いい大人がみんなでハッピーバースデイを大合唱なんてなかなかないでしょう!?(もちろん褒めてます)

しばらくして、制限時間が間近なことを告げるアナウンス。

「残り、5分です」

まずい、まずい……まずいまずいマズイ!!!終わってねーーーー!
4問中3問しか解けてない!

そんなテーブルの空気をよそにさらにアナウンス

「残り、1分です」

だめだーーーー!しかもわかんねーーー!最後の1問が…ど、どうしよウ…。
でも、わからないものはわかりません…。

ほどなく…制限時間を告げるアナウンス。

くあー、ダメだったー。失敗かぁ…

そんな状況だったのですが、「次の部屋へどうぞ」とのこと。え、脱出??いやいや、通されたのは第1の部屋よりもさらに広い空間でした。しかもなんと、白抜き部屋の相方さんたちと合流。今まで郵便を介してやりとりしていた相手との初対面。脱出という目的を共有する友であり情報を交換しあった仲間である方々。まさに感動の対面であります。

そんな感動の対面をよそにさらに謎を解けとの指令。実はこの前までいた部屋でそれぞれのチームは解答するごとに1字の文字が印字された紙きれを貰っていました。それらを並べ替えて出てくるヒントを元に、かつ白抜きチームとも力をあわせてさらに問題を解くことになります。白抜き・黒抜きの持つ解答用紙各々の1番下の問題を解けとのこと。私たちはそれらも第1の部屋で解くものだと思っていたので焦っていたんですね。命拾いしました…。

さて、その続きの謎ですが第1の部屋より広い部屋を使い、より難しい謎をとくことになります。全員で考えてみたのですが、結局一番最後の謎が解けずにゲームオーバーでした。ちなみに私の参加した回の脱出成功チームはなし。うーんさすが、一筋縄ではいかないですね…。

ゲーム終了のあとは、スタッフさんから簡単なタネ明かしとスタッフさんの紹介、協賛していた「極限脱出 9時間9人9の扉」の告知があり、解散となりました。

チームの方々とは挨拶をしてすぐにお別れ。
いや、本当に興奮しっぱなしの1時間でした。こんな体験をしてしまったら、次回も参加せずにはいられません。次回はゴールデンウイークにお台場で開催とのこと。私個人としては、是非次回も参加したいと思っています。

参加して感じた「リアル脱出ゲーム」の面白さとは

今回初参加してみて感じたことは、率直に「リアル脱出ゲームって面白い!」ということでした。
その理由としては、大きく分けて2つです。

1)実際に謎解きしている興奮を味わえる
2)仲間同士で協力して謎に挑む楽しさ

リアル脱出ゲームの後に「極限脱出 9時間9人9の扉」をプレイしましたが、そこでは味わえなかった楽しさがそこにはありました。それこそゲームのような壮大なバックボーンやストーリー的な謎が徐々に解明されて最後にすべてを知るというカタルシスはありませんでしたが、非日常な空間の中で実際に手足を動かし、ヒントを見つけ、謎を解く。やはりこれはゲームとリアルでは「実感」のレベルが違います。普段ゲームでしていることを「リアル」で体験する快感を得られることは、面白さに直結していたと感じます。

また、見知らぬ方々と共に1つの謎に挑む、すなわち協力できるということも大きかったなと思います。互いにヒントを集め合いあーだこーだといいながら解答を導き出すのは、やはりゲーム内で一人で謎を解くより格段に楽しい。特に今回の「郵便を使った情報交換システム」はとても画期的だなと思いました。このシステムを投入することによって「郵便が(こちらに)届かない不安」や「思いが伝わるかの不安」など、心配になる要素がうまい具合に増長されており、ドキドキ感が数倍増していたように思います。また、協力している感を感じさせる演出として非常に役に立っていたのではないでしょうか。

次回は恐らくシステムが変わることになると思いますが、きっと今回と同じかそれ以上の面白さを味わえるのではと期待したくなる面白さでした。

唯一「惜しいな」と思ったこと

今回ひとつだけ失敗だったなと思うことがありまして、それはずばり「一人で参加してしまったこと」です。やはり自分自身が参加しているだけあって、終わった後、ゲームより、映画より、小説よりもその中身について語りたくなります。その時に話す相手がいないのはつらい!複数で来られた方々は帰り道に内容について語り合っていましたし、それを見て素直に羨ましく感じました。これほどまでに誰かと話したくなることも個人的には珍しい…。なので、終わった後に感想を言い合える相手と一緒に来て一緒に帰ると楽しみが一つ増えることと思います。

協賛の「極限脱出 9時間9人9の扉」も面白い!

先程、「極限脱出 9時間9人9の扉」をプレイしたと書きましたが、今回のリアル脱出ゲームに協賛しているだけあってこちらも面白かったです。

主人公が無理やり参加させられる「ノナリーゲーム」という死のゲームからいかに生き残るかというゲームなのですが、これがもう徐々に明かされる真相が気になって気になって止め時を失ってしまいました。西村キヌさんの描くキャラクタも魅力的です。また、リアル脱出ゲームに参加していると共通点が見つけられるのも参加者としてはポイント。

脱出ゲーム好きの方にはもちろん、ミステリーやサスペンス小説が好きな方にもおすすめできます。是非とも打越鋼太郎さんの描くサスペンス劇場に足を踏み入れてみてください!
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この記事を書いた人

としお
webディレクターとしてweb制作会社で働いていましたが2010年1月に退職。現在は自分探しの旅の途中。(ようするに無職)

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