大人な日本酒の飲み方


初めまして。chiquichikaです。私の大好きなまち、吉祥寺!そんな吉祥寺のはなしを中心に、さまざまなコラムを発信していけたらと思っています。…それでいきなり日本酒ですかみたいな(笑)。まあまあ。

たまたま知ったイベント、「Kの選択」。“よいものを長く使いつづける”ことがコンセプトです。私は、日程の関係もあり……いやすみません正直に言います、美味しいお酒が飲みたかった。ので、酒器道楽という酒器専門ショップが主催する日本酒会 「酒の悦楽、器の粋。」を選んで参加してみました。「大人な日本酒の飲み方」と紹介されていたので、気になって行ってきちゃいました!

会場となる百想は、古本屋さん「さんかく」さんのおむかい。こんなところにこんな素敵な空間があるなんて、全然知らなかった!

日本酒の愉しみ方

少しはやめに着いたので、「陶ISM」参加の作家さんの酒器を堪能。落ち着いたたたずまいのギャラリーに、素敵なうつわがたくさん…。器道楽は、始まったら止まらないので要注意です! 展示の器はもちろんすべて購入することができます。が、ここはこらえてぐっとがまん。おさいふ事情を思い出せ!!
素敵な酒器の数々。

日本酒の愉しみ方日本酒の愉しみ方

そして振り返ると、宴の準備。おおー。

日本酒の愉しみ方

参加者はこぢんまりと10名。主催の酒器道楽・佐々木氏の挨拶で、宴のはじまりです。大人な日本酒の飲み方について、レクチャー開始!ここからが大切ですよ(笑)。

酒器のお手入れ

酒器を使う前準備は、「しばらく水につけて湿らせておく」こと!湿らせずにそのまま使うと、お酒が陶器にしみこんでしまい、いたむ原因にもなるそう。あらかじめ水をしみこませておくことで、このいたみを防げるそうです。逆に、しまうときにはよく乾燥させてから。

愛着のわく酒器と出会ったら、丁寧にお手入れして、長く使いたいものです。長く使っていると、色が落ち着いてきて、使い込まれた陶器ならではの表情が出てくるそう。そのことを、景色(けしき)がかわる、と言うそうです。

美しい日本酒の飲み方

まだまだ若造の私たちながらも、気になるのは、どうやったらカッコ良く日本酒が飲めるか!?ということですよね!しっかりお聞きしてきました。

まず、注ぎ方。ラベルを上にするのは基本中の基本ですね。普段から何気なくそうしていましたが、「注いでいるお酒が何という名前のお酒か相手に見える」「ラベルを汚さない」という気遣いの所作なんです。

そして、きれいに注ぐコツは、注ぎ口側を支点にしてささえ、瓶の底のほうを持ち上げるようにして注ぐこと。そうすると、瓶が安定して注ぐのも楽になります。

それから、ぐいのみの持ち方。掌全体で包み込むようにしてしまうと、少しやぼったい。親指と中指で、ぐいのみの上部を支えるような持ち方が、無駄な力が入らずきれいに見えるそうです。もちろん、ぐいのみの形状や大きさにもよるので、お気に入りのぐいのみでいろいろ研究してみるのが良いかもしれませんね!!

今回いただいた日本酒

せっかくですので、今回いただいたお酒を紹介します。どのように表記するのが正しいのかわからないのが残念ですが、とりあえず全部メモしておきました(笑)。その説明もひとつひとつあるのですが…日が暮れるので今回はパスで!

1本目は、「翠露、純米吟醸、中取り、袋しずく、生酒」。青い瓶がさわやかで、あけた瞬間から華やかな香りが立ち上りました。

2本目は、「黒牛、本生、無濾過、純米酒」。日本酒好きであれば知っているお酒だとか。飲み口が複雑で、かなり濃厚なお酒でした。

3本目は、「鶴齢、純米吟醸、にごり酒」。にごり酒はあまったるくてこれまで好きだと思ったことはなかったのですが、これはすごかった。とても美味しいお酒でした。

…と、事前情報ではお酒は3種類と聞いていたのですが。なんと最終日だったのでサプライズ!!4本目が出てきましたよ~しかも一升瓶!(笑)とっておきの4本目は、なんと東京の地酒。「田むら、純米吟醸」の特別限定品です。飲みやすくて、少しずつあたたまってくるにつれどんどん美味しさが花開いて…こんなお酒が東京にあったということ、東京に住んでいる者としてとてもうれしく感じました。

日本酒の愉しみ方

お酒の力は不思議なもので、会は序盤からかなりの盛り上がり。知らない人同士が集まった場でしたが、気がつけば皆で笑い合い、語り合っていました。

さまざまな日本酒知識、せっかくメモをとりましたが、途中からは酔っぱらっていたようで、読み返してもなんだかよくわかりません。しかしそんな中でも一番印象的だったのは、「日本酒の愉しみ方は自由である!」というお話!

たとえばワインでは、ワインによって選ぶグラスの形状や、温度管理にかなりの気遣いが必要となってきます。しかし、日本酒は、冷にしたりお燗にしたり飲み方も人によって自由。選ぶ器も自由、自分の気に入ったものを。「日本文化は、個々のバックボーンをたのしめる」という佐々木氏の言葉が印象的でした。

ただ味わうのではなく、愉しむという考え方が素敵ですよね。ワインも日本酒もどちらも素晴らしい文化です。今度はワインを愉しむイベントでも探してみようかなー。

終了時刻を迎えたはずの会は終わることを知らず、いつしか日本酒の話から、日本文化の話へ。日本文化の奥深さ、寛容さについて話に花が咲きました。武道から、陰翳礼讃(谷崎潤一郎著)を引用しての日本文化にまつわる話、さらには浮世絵、落語といった江戸の文化の話へ話題は移り行き、大変な盛況のうちに会は終わりました。

単なる日本酒のレクチャーにとどまらず、日本文化としての日本酒の愉しみ方を体感することができた、とっても良い機会でした!!器、料理、酒、場、そして人。「一座が建立して宴がひらく」とおっしゃっていましたが、素晴らしいおもてなしのひと時でした。

さりげなくけっこうおかわりしたし(笑)、美味しいお酒情報&地元のお店情報もいろいろゲットできてホクホクの一日でした。ていうか昼間から飲むとか最高!!…そして、今日出会った酒器。あれだけ自戒したにもかかわらず、結局購入してしまいました(笑)。

みなさんも、これを機会にぜひ日本酒にチャレンジしてくださいね。「純米」と表記されているものであれば、そうでないものに比べて飲みやすいそうですよ。
イベントKの選択は、8/29(日)まで開催中みたいです。

「酒の悦楽、器の粋。」

酒器道楽

Kの選択

gallery re:tail 百想(会場)

陶ISM