ツイッターとUSTREAMから見た「東海道地方太平洋沖地震」
「平成23年3月11日14時53分ごろ、大きな地震が発生しました。全国での最大震度は震度7です。
また、大津波警報も発令されています。沿岸部の方は十分に注意してください。」
平成23年(2011年)、3月11日のお昼頃。
神戸の自宅でツイッターを見て過ごしている私のところに、続々と「地震が起きた」「揺れた」「長いぞ」「これは大きい」というツイートが流れた。
ツイッターを日頃利用していると、本当にたくさんの地震が起きていることを実感する。
しかし、今日はいつもと様子が違う。
これまでとは違う、本当に大きな地震が起こっているのだ、ということをすぐさま感じた。
穏やかだったタイムラインが一変する。地震に関する情報と呼び掛け、不安の声が錯綜する。
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この記事を書いている今でも、マスメディアやソーシャルメディアは騒乱に陥っている。
私たちに何ができる?
目についたのは、現地に関わりのない方の「私は今、ツイッターを見ているだけで、何もできない」「なにかできることはないのか」といういくつかの声だ。
電話もつながらず、メールも使えない。TVも見られなければラジオもない。
そんな人たちに、私たちは何ができるのか?そんな中、現地の方からこんなツイートが流れる。
情報が全然入ってこない!
Twitterで拡散RTしまくれば少しは気づく人がいると思う!
皆さんのツイートが唯一の情報源です。
ここから、「拡散希望」の声がどんどん広まる。
■「拡散希望」「RTしてください!」
どんどんやってくる「拡散希望」の呟き。せめて、ツイッターで少しでも現地の方々の力になれれば。そんな想いが、たくさんの呟きが、タイムラインを埋め尽くす。
地震の対応マニュアルまとめ、友人の安否確認、避難地域の情報まとめ、災害伝言ダイヤルの使い方、交通情報など、様々な呟きがやってくる。
中には一部の心ない人の呟きもあり、「怪我をして動けないので、この住所まで助けに来て下さい」など、混乱を招くデマの情報を流す人もいて、ツイッターでは「本当に必要な情報を、正確な情報だけ拡散してください」と各々注意を呼びかけている。
広島の中学生とNHK広報局Twitter担当者の独断
USTREAMで、許可を得ないTVの映像をそのまま放送。
これは、本来はやってはいけないことで、処罰もやむをえないことなのだが(恥ずかしながら、私は細かいルールはわかりかねる)
緊急時ということもあってか、たくさんのユーストリーマーがTV放送のサイマル配信(異なるメディアで同一のコンテンツを同時に配信すること。特に、テレビ・ラジオ放送と同じものをインターネットで同時配信することを指す場合が多い。)に乗りこんでいた。これは、TVを見られない環境の方へ向けたUSTREAM放送だ。
その中でも、最も注目されていたのが広島の中学生によって放送されていたiPhoneを使ってのNHKサイマル配信。今現在確認したところ、最大同時視聴者数は4万人にも上る。
ここでNHKがどう出るのだろうか、と事の成り行きをハラハラ見守っていたのだが、事態は意外な方向へ転がっていく。
■「私の独断なので、あとで責任はとります」
NHK広報局Twitter担当者の取った判断は、なんと中学生ユーストリーマーの支援だった。
NHKツイッターアカウントの、一時的なUSTREAMによる放送許可。ツイッターでURLを貼り付け、このUSTREAMで放送が見られます、とフォロワー達に呼び掛ける。
「停電でTVが見られない方へ、できるだけ沢山の人に見て欲しい。」
そのように呼びかけをするNHK広報。これは歴史的な事件になるな、と私は感じた。
今もなお放送は続いているが、今後中学生配信者とNHK広報担当者の方が処罰されないことを本当に祈っている。
その後、TBSが公式USTREAMチャンネルでTVの地震情報のサイマル配信を開始。
広島中学生の影響もあるのだろうか、と考える私は甘いのだろうか。
夜がやってくる ~今後の対応~
遠くで暮らしている私たちには何が出来るのか?
それは、正確な情報を正しい認識で選びとり、たくさんの人に伝えることだと私は考える。
これから夜がやってくる。被災地を暗闇が包むのだ。
ボランティアを装った詐欺・強盗・強姦などの人災もあるかもしれない。少しでもあなたに出来ることをして欲しい。
私も現地の状況に注意しながら、今後の成り行きを見守り、呼びかけをしていきたいと思う。
1995年、阪神大震災を経験した私だが、不安な気持ちで過ごす人々に何か力になれれば、と切に願っている。
(2011年3月11日 20:28 現在)