DVDから覗く「演劇の世界」


こんにちは、わたあめです。
連載コラム「演劇の覗き穴」第2回。
今回のテーマは、演劇を見てみよう!です。

人が演じる物語、というのはテレビドラマや映画で何かと良く接していますね。
ドラマや映画は、家でだらーっとしながら見れたり、評判が高かったり、キャスティングが好きな有名人だったり。
結構すぐ「見てみようかな」という気になるのが、テレビや映画です。
しかしながら演劇は、見る場所が限られたり、面白いかどうかが分かりにくいので、ちょっと気後れしてしまいますよね。

さて、そんな演劇ですが、少しばかり簡単に触れる方法が一つございます。
それはDVD
ドラマや映画に比べたら非常に少量ではありますが、レンタルビデオ屋さんにも「演劇」のDVDは並んでいるのです。
劇場にいきなり行くのはちょっとなぁ……と思う貴方。
まずは、自宅のDVDプレーヤーで、演劇の世界を覗いて見ましょう!

演劇ってどういうものなの?……という貴方にオススメ
「ラーメンズのコントDVD」

まず最初にご紹介するのは、ラーメンズのコントDVDです。
かつて、Flashコンテンツの全盛期に流行った千葉、滋賀、佐賀などの作品でおなじみのラーメンズ。
「なんで芸人さんのDVD?」
と、思われるかもしれませんが、ラーメンズのコントライブは非常にお芝居を意識したものが多いのです。
一部では演劇とお笑いの中間という評判もあるほど。
実際、片桐仁さんはお笑い芸人としての活動の傍らいろんな舞台でお芝居をされてます。
また、小林賢太郎さんは自らがプロデュースして数多くのお芝居の公演を行っています。
しかしながら、演出や衣装、舞台装置などが極端にシンプルなのがラーメンズの最大の特徴。
お芝居独特の派手さや大仰さが苦手な方にうってつけの作品です。
レンタルビデオの「お笑い」のコーナーに在るか、演劇のコーナーに分類されているかは店によって異なるとは思いますが、非常に面白いので是非借りてみてください。

お笑いのお芝居、ありませんか?…という貴方にオススメ
U-1グランプリ「 CASE 01『取調室』」

こちらもお笑いのDVDですが、ラーメンズとは違うベクトルで単純に笑えるDVDです。
警察の取調室をモチーフに、様々な展開で笑わせにかかってきます。
こちらはラーメンズとは打って変わって、登場人物が多く演出も多少演劇チック。
照明・音響・映像・舞台の仕掛けなどをふんだんに使って笑わせてくれます。
主体となるのはコントですが、一つの筋で緩くまとめてあるのも良い点です。
コントを主体にぶつ切りで見て笑うのもアリですが、2時間ぶっとおしで笑い転げて疲れ果てるという楽しみ方も出来る。
これがこのDVDのよさかなーなんて、勝手に思っています。
店舗によっては無い可能性もありますが、レンタルビデオの「お笑い」のコーナーにある、かもしれません。

とりあえず一本、お芝居を見てみたい!……という貴方にオススメ。
TEAM NACS「LOOSER~失い続けてしまうアルバム~」

最近テレビでよく見かけるようになった大泉洋さん。
ご存知の方も多いとは思いますが、大泉さんは元々北海道を拠点に活動している役者さんなのです。
さて、とりあえず一本、お芝居というものを見てみたい!
……という貴方にお勧めするのは、この大泉洋さんが所属しているTEAM NACSという演劇ユニットが作った新撰組のお話。
非常にストーリーはドラマティック且つ、新撰組を知っている人も知らない人も楽しめる分かりやすい内容であることが特徴のこのお芝居。
とはいえ2004年のお芝居ですから、レンタルビデオ店にあるかどうかちょっと不安。
「HONOR〜守り続けた痛みと共に〜」や「下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。」は比較的最近の公演なのでひょっとしたら置いているかもしれません。
TEAM NACSのお芝居の特徴は、気軽に笑えて分かりやすい内容だということ。
是非レンタルビデオ店の「演劇」または「ステージ」のコーナーに思い切って足を踏み入れてみてください!

お芝居を原作にした映画……ありませんか?という貴方にオススメ
「パコと魔法の絵本」

さて、演劇に触れてみたいけどやっぱりあの独特さがどうしても苦手なんです!という貴方に。
これでもかと猛プッシュしたいのは映画「パコと魔法の絵本」。
2008年に上映されたこの映画。
これは原作がお芝居の映画なのです。
原作のお芝居のタイトルは「MIDSUMMER CAROL ガマ王子vsザリガニ魔人」。
脚本は後藤ひろひとさん、演出はG2さん。
このお二方は本当に良作なお芝居を作り出すなぁと、思っている私なのですが……まあ、それは置いておいて。
この「パコと魔法の絵本」は映画としても非常に良作の一本!
私がウダウダ言うよりも、見ていただいたほうが早いかと思われます。
「原作のお芝居ではどんな感じなの?」と興味がわいた方は是非、舞台公演をDVDで是非ご覧下さい。

さて、観劇の初級として4本のDVDをご紹介させていただきましたが、興味を引く一本はあったでしょうか?
演劇の醍醐味はライブで見ること、ではあるのですが……劇場にいきなり行くというのはちょっと勇気がいることですよね。
なので、まずは是非DVDで演劇というものに触れてみてはどうでしょうか。

ちまたでは「難しいと感じる」とか「つまらない」とか色々な評判のある演劇ですが、実際には多くのジャンルが存在します。
それこそ、気軽に楽しめるものからちょっと触れにくいものまで。
多くのジャンルがあるということはそれだけ「楽しめるものが存在する可能性が高い」ということなのです。

ミュージカルもあれば、時代劇もある。
悲劇もあれば、喜劇もある。
社会風刺もあれば、コントもある。

そんな演劇の世界を、是非一度覗いてみてください。

この記事を書いた人

わたあめ
とある地方のアマチュア劇団で役者兼スタッフで活動中。

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