現場で働くということと本部で働くということ。


「現場」と「本部」はどっちも偉くないし、どっちも偉い

美容室だけでなく、コンビニや居酒屋、アパレルにも通じることかもしれない。この「現場」と「本部」の考え方やとらえ方。
現場で働く事が良いのか、それとも本部で働く事が良いのか。答えはない。

僕が最初に「現場」と「本部」として違和感を覚えたのは大学二年の時だった。あるアパレルでバイトをしていた時こんな会話があった。

店長
「今日はスーパーバイザーだけじゃなく部長も来るからしっかりやれよ」
従業員
「はい。わかりました」
店長
「とりあえず、あの部長はココとココを結構気にするんだ。徹底的に頼むな」
従業員
「はい。わかりました」
店長
「じゃ、今日も一日よろしくね!」
従業員
「よろしくお願いします!」

実際に昼前位に部長と言われるメガネをかけたキリッとした人が現れた。
店長の指示していたタペストリー裏の商品の在庫のチェック、バックルームの掃除用具の入っているロッカー、バックヤードの在庫整理のクオリティ。お客様に関係ないであろうところをチェックしていた。

誰の為の仕事なのか

(これじゃまるで、部長のために掃除をしているようなものではないか)

このようなことがサロンでもおきている。今日は本部が来る日だから「きちんとしとけ」とか「オシャレにしとけ」とかそういう指示が飛んでいると思う。(飛んでいないサロンはとてつもなく優秀か、本部に力がないかのどちらかだ)

本部が来ることによって、緊張感がうまれ店舗がいわゆる「しまる」状態になるのは良いことだ。
しかし、その緊張感に慣れてしまうのは問題だ。緊張感に慣れが生まれるとやり過ごし方を覚えてしまう。

本部としての役割が果たせていない

本部の役割はお客様がお金を払ってもいいという仕組みを構築することである。
本部であろうと現場であろうと目的は一緒で売上を上げることである。しかしし、手段が違う。

現場:お客様と直接関わる事で購買を勧める

本部:お客様に購買される仕組みを創り出す

理解と意見そして調整

現場と本部では大事なこと、それは双方における「理解」である。
一方的に、「売れ」や「管理しろ」では必ず関係性に亀裂が生まれてくる。

■本部で働く者として、現場での勤務経験は必要である。しかし、本部で働いているならば必要以上に現場を経験する必要はない。

■現場で働く者として、どうして「管理」が必要なのかを理解する必要はある。しかし、現場で働いている以上は最低限の理解で良い。

こうして双方の仕事を理解をしたうえで、現場としてやりたい事と本部としてやるべきこと。これをお互いが意見として出し合う。現場はそれを実際にやる想いがあるのか?それをできるだけのスキルや知識があるのか?そしてこれを管理できるのか?を本部は見極める。

そしてやれる!と判断したときはそれがやれる環境を作る(収益化だったり教育だったり)。そしてダメであろうと大成功に終わったとしても必ず次回に繋がる何かを提案する。

これが最も良い関係性の現場と本部ではないかと考える。

マンガ編集者と漫画家のTV番組を見たらある編集社の編集長がこんなことを言っていた。
「編集者は漫画家に勝てない。だからこそ編集者になりアイディアを言うんだ」
そしてそのアイディアを超えるものを創り出して欲しいのだという。

サロンの現場と本部もそういう関係なのかもしれない。