美容師、そして若い世代とオーナーと。


美容業界にいるので美容業界の事を書こうとかと。

美容師のイメージは?

やっぱり返ってくる答えは「オシャレ」とか「カワイイ」とかそういうのが多いと思うし、実際言われた覚えのある美容師って多いと思う。

けれど、少しづつ時代が変わってきてると思う。美容学生が「こんなところで働きたい」と思うランキングでは全ての地域で1位を獲得している理由は「スタッフの仲がよいところ」というデータがある。

そして、それ以外で上位に占めている理由は「技術レベルの高いところ」とか、「オシャレなところ」「給料が高いところ」とか、「社会保険が充実しているところ」となっている。
そして、関東地区でさえ「オシャレなところ」は3位であり、「給料が高いところ」が2位につけている。

つまり、今の美容師として働きたいと思っている学生は「仲良く、そこそこオシャレでそこそこの給料で美容師として働きたい」というパラダイムシフトが起きている。

徒弟制度のなごり

昔は(聞いた話をまとめると)徒弟制度が強く先生の言うことは絶対だ、といういわば抑えつけの教育がされていたわけで、今のような割と自由がきく働き方が認められていたとは考えにくい。
こうなってしまった背景に、「ゆとり教育のせいだ」とか「社会情勢が云々」とか色々意見はあるけれど、僕は全く関係ないと思う。(ちょっとはあるかもしれないけど)
美容室のオーナーというのはほぼ、創業オーナーでありいわゆる徒弟制度で生き残ってきた人たちが今、有名店といわれる美容室でオーナーをやっている。

「売れる美容師になるには?」の答えを持っているからこそ、有名店のオーナーになっているわけでポッと出た人が有名店の看板を掲げられるほど甘くないのはどこの業界でも一緒だ。

そのオーナーが、売れる美容師になるための教育をする。そうなると、自然と答えは「徒弟制度」時代に培った教育になってくる。
しかし、教育を受ける側にはすでに美容師としての教育におけるパラダイムシフトが起きているわけで「徒弟制度」には拒否反応を示す。
行き過ぎると、スパルタ。そうすると「あの人は怖い」とか、「あの人に話しかけると怒るか説教しかない」と思われてしまう。

もちろん、教育者にはそんな気持ちはサラサラなくむしろ「売れる美容師になってほしい」という愛情から生まれるKKD(※勘・経験・度胸)に基づいた教育方法になってしまう。これからは売れる美容師を作る為には若い世代で起きているパラダイムシフトに敏感になることがオーナーに求める。

若い世代に足りていないモノ

一方、若い世代の美容師に求められるもの。それは「先輩、店長、オーナーを尊敬すること」である。
今はTwitterやFacebookなどで様々な情報を簡単にとることができる。
「あそこのオーナーは毎回忘年会は船の上でやる」とか「誕生日にすごいのプレゼントされてた」とかが簡単にわかる。
すると、「それに比べるとうちのオーナーなんて」とか思ってしまう。

それは良くない。若い世代は言い訳が上手い。とても上手い。
おじさん「この意味は、50才になったらわかるんだよ」
若者「じゃあ、僕も50才になってからわかります」
なんて平気で言う。おじさんは言い返す気力もない。

先輩、店長、オーナーを「逆に」理解してあげることが本当に求められている、そんなおかしな時代になっていると思う。

-まとめ-

今の時代、美容師になる若者は「オシャレ」だけが目的ではない。
「仲良く、そこそこオシャレでそこそこの給料で美容師として働きたい」

仲良くは、お店の風土雰囲気。
オシャレは、最低限のマナー。
給料は、経営者の腕。

この3要素をクリアしたならば、そこで働く美容師は「売れたい!」と思うだろう。
この3要素の解決は全てオーナー次第である。若い世代が良くも悪くも「パラダイムシフト」を起こした。次はオーナーが「パラダイムシフト」を起こす番ではなかろうか。

もちろん「若い世代」と「オーナー」のつなぎ役はハチヨン世代の役目である。