【祝 御遷宮】「第62回神宮式年遷宮 お白石持行事」内宮領奉献リポート


皆様、おはこんばんちは。初回記事に引き続き、2回目の記事も非常にたくさんの「いいね!」を頂いて喜びのあまりお酒が進むだいすけです。

さて今回は好評の「伊勢うどんシリーズ」では無く、僕が「お白石持ち行事」に参加したリポートをお届けします。

「お白石持ち行事」とは?

「お白石持ち行事」とは、8年に渡る一連の式年遷宮行事の1つで、新しい御正殿の敷地に用いる「お白石」を奉献する民俗行事です。この石は地元の宮川から拾い集められ、これを地域住民が「奉曳車(ほうえいしゃ)」と呼ばれる車に乗せて引いて運びます。式年遷宮行事の中でも、クライマックスと言える行事でしょう。

詳しくは「伊勢神宮 第62回神宮式年遷宮 お白石持行事」をご覧ください。

奉献は、元々「神領地」と呼ばれていた地域の中で、町ごとに分かれた「奉献団」と呼ばれるグループで行います。奉献団ごとに着る法被や奉曳車は、それぞれオリジナルのものです。

奉献ファッションは白で揃えるのが基本なのですが、お白石持ちの影響か、伊勢のユニクロから白いズボンが品切れになったり、イオンでは白ズボンや白帽子などを集めたコーナーが作られたとか。

出発まで

暑さが厳しい8月11日(日)、僕が参加したのは黒瀬町の「黒瀬町橘栄社(くろせちょうきつえいしゃ)」という奉献団です。「橘栄社」という名前は、地元の氏神さん『橘神社』からとられているそう。(親戚のツテで参加させてもらいました)
法被はこのようなデザイン。
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(橘と丸一が入ったデザイン。丸一の由来は、外宮が火事になった際にこちらの住民が真っ先に駆けつけたからだとか。モデルは僕の従兄弟)

集合場所から出発地点近くまではバスで移動するのですが、なんと橘栄社用のバスは観光バス約20台、参加者は約1,300人とのこと!黒瀬町にそんなに人がいたのか・・・。(僕のように他所から来ている人も多かったと思います)

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お白石を運ぶ「奉曳車」

お弁当を食べた後、少し待ってから出発地点に徒歩で移動。ついに奉曳車とご対面です。

橘栄社の奉曳車はこのような感じです。
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また橘栄社は、子ども用の小さな奉曳車があるのも特徴です。
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橘栄社スタート!

準備も整い、11時にいよいよ出発式が始まります。挨拶や太鼓・舞の奉納があった後、小さい奉曳車から出発。子どもたちの「木遣り唄」が披露され、少しずつ動き出していきます。そうそう、この「木遣り唄」も奉献団ごとに歌詞や節回しが違って、オリジナリティが溢れています。

そしていよいよ大きい奉曳車も出発。みんなで「エンヤー!エンヤー!」と声を出しながら進んでいきます。

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(みんなでしっかりと綱を握ります)

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(勇壮な木遣り唄)

今回、橘栄社が進むのは、伊勢市古市町から内宮前までの約2.7km。今回のお白石持ちでは、距離の短い「浦田ルート」と距離の長い「古市ルート」の2種類(別途、特別神領民用のさらに短いルートも有)があり、長い方だったわけです。
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(な、長い・・・)

あれだけ多くの石を積んでいるのですが、人数が多いからか意外と軽く引いていけます。しかし真夏の日中。容赦なく暑い日差しが襲いかかります。途中には何度か休憩タイムがあるものの、各自が水分補給や塩飴などの対策を行っていました。

さて、出発しましたがやはり長いルート。疲れや気が弱ることもあります。そういう時は、木遣り隊が木遣り唄を歌ったり、また引いている人たちもそれに合わせて「暴れる」ことで、お互いを鼓舞しながら進んでいきます。

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「暴れる」とは、上図のように引いている綱を近づけていったり、波打たせることです。途中何度も行われていました。

苦節を乗り越えていよいよ終盤

木遣りや休憩、先陣の遅れによる渋滞などを乗り越えいよいよ終盤へ。当初予定では13時40分に出発予定だった神宮大麻課前を、14時30分頃に出発。猿田彦神社の横から「御木本道路」へとつながる急な下り坂へ。ここでは全員改めて一丸となり、また他の奉献団の力も借りながら坂を下り、カーブを曲がっていきます。

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(急な下り坂。力を合わせて下りていきます)

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(無事にカーブも曲がりきりました!)

そして御木本道路を進み、曲がればいよいよ「おはらい町」へ。あとは一直線に進めば宇治橋前!

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(おはらい町へ入ります!)

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(赤福本店前の奉曳車)

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(話題のファミマ前も通過)

ついに内宮がすぐそこまでやってきました。ここからが最後の見せ場。「エンヤ曳き」です。最後の力を振り絞り、一段と大きく「エンヤー!」と声を出しながらダッシュです。全力ダッシュ。転倒したり、綱に巻き込まれてはいけないので、子どもやお年寄りは離れます。

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(みんなで呼吸を整えて・・・)

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(一気にダッシュ!橘栄社のときは僕も全力ダッシュしていたので、次の通町の様子をご覧ください)

そしてきっちりと鳥居前に停め、ついに到着!
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ついに内宮前到着

最後は盛り返し、16時の到着予定から少し遅れた16時15分頃に内宮前宇治橋に到着しました。
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ここで、お白石は奉曳車から下ろされ、大八車等で境内へ。
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そしてその先は人々それぞれの手でお白石が運ばれます。

奉献へ

手水場で清め、まずは白布を受け取ります。
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(もちろん白布も奉献団オリジナル)
そしてお白石持ちも受け取ります。
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そのまま境内を参進し、御正殿を目指します。
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到着。出来たばかりの真新しい御門の前です。まだ一般の参拝者は立ち入ることが出来ず、お白石持ちの参加者のみが入れます。
撮影が出来るのはここまで。ここからさらに、神様がお移りになられた後は天皇陛下でさえ立ち入ることの出来ない御正殿前まで進み、お白石を奉献します。
そして非常に澄んだ気持ちのまま境内を帰って行きます・・・。
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これにて、僕の20年ぶり二度目のお白石持ちは終わりました。残念ながら外宮領への奉献は日程の都合上参加できませんが、御遷宮という伊勢の、また日本の一大イベントに今回も多少ながら携わることが出来て何とも言えない気持ちです。

内宮領のお白石持ちは8月12日をもって終了。8月17日からは外宮領が始まり、9月1日まで続きます。そして、内宮では10月2日、外宮では10月5日の遷御(せんぎょ=神様に新しいお社にお移りいただく儀式)へと続いていきます。もし機会があれば、お白石持ちの様子をご覧に、また新しくなった神宮へとぜひお越しください。

改めて感じた「おもてなし」の心

今回、改めて伊勢の人々の「おもてなし」の心を感じました。自治体・町内会・企業・ボランティアチームから、通り道の一個人まで。お茶を出してくれる人、水をかけてくれる人、声をかけてくれる人・・・。参加するみんなが一致団結するように、それ以外の人々も一緒に団結してお白石持ちを行っていました。

伊勢という土地で、古くから人々を「おもてなし」してきた心が、間違いなく今も息づいているのだと感じ、それもまたきっと、御遷宮と同じように後世まで伝えるべきことなのでしょうね。
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以上、妙にセンチメンタルな感じになりながら、お白石持ちをリポートしました。こういうことを伝えるのは難しいですね。なるべく写真多めでいろいろ感じて頂けるようにしたつもりです。それでは皆様、ハッとして!Good。だいすけでした。
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(この日は帰ったら伊勢の地ビールを飲んだとさ)

この記事を書いた人

だいすけ /ライター
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元広告代理店、現タウン情報誌。天照大神の鎮座する国から、県民に役立つことと自己の妄想を発信する日々。お酒、音楽、ライオンズが大好き。

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