「自由に楽しもう」モノの物語を感じるアンティークの楽しみ方!


こんにちは、chiquichikaです。今回のテーマはアンティーク。

アンティークって、なんとなく敷居が高いイメージがありませんか?
雑誌などで見るアンティーク特集のページをめくってみても、やっぱり高価だし、知識も必要そう…。

そんな雑誌で読むアンティークの印象とは少し違った、アンティークを身近に感じられるお店があります。
吉祥寺からお散歩がてら井の頭公園を抜け、井の頭公園駅前の坂をちょっとのぼったところにあるアンティーク屋さん、「20世紀ハイツ」です。

不思議な時間が流れる店内は居心地が良く、ついつい品物を見ながら長居してしまいます。そんな空気を作り出している店主の須藤さんに、お話を伺いました。

アンティークって何?

「アンティークって、何だと思う?」

皆さんはどう思いますか?
私は須藤さんに最初にこの質問を投げかけられ、いきなり戸惑ってしまいました。

chiquichika「古くて…良いもの…….?」
須藤さん「じゃあ良いってどういうこと?」
うーん。どういうことだろう。アンティークって、何だろう?

アンティークの面白さ

「絵や写真でしか知らない時代に作られたモノが、リアリティをもった物として、現代に存在するということが面白い」と須藤さん。

モノの寿命は、時に私たち人間よりずっとずっと長いわけです。
今を生きる人がだれも見たことの無い時代に、誰かが作り、誰かが使っていたモノ。
どうやって作られたのか、何に使われたのか?
想像はできるけれど、骨董屋の主人ですら「正解」は分からない。

須藤さんは、当時の流行や政治情勢など、現在調べらて得られるだけの情報のなかから「そのモノが過ごして来た時間」を自由に想像することがとても楽しいと言います。

そして、ドラマを想像すればするほど、そのモノに愛着がわきます。
丁寧に手をかけてそのモノをつくった職人さんが「いや〜できたぁ!」なんて一息ついているところを想像すると、大切にしようと思えますね。

また、たとえば誰かが誰かにプレゼントしたという署名やメッセージが入っているもの、誰かの手元に届いた古い絵はがき。
「そういうのは商品としてはなかなか売れないんだけど、たまらなく好き」と須藤さん。
そう、人の手を経て時間を過ごしてきたすべてのモノには物語があるのです。

「アンティークが新品と違うのは、色々な人が手にとって、それぞれの”育ち方”をしているところ。それを想像するのが楽しいよね」。

「これはアンティークで、価値があるものである」。だから良いモノなのではなく、そのモノを「愛しいと思えるかどうか」で自分にとっての価値が決まる。
そんなアンティークの楽しみ方があったんですね。

自由に楽しもう!買わなくてもコレクター、その場にあるべきアンティーク!?

須藤さんがお店を開いている理由は、本当にアンティークが好きだから。そして、物欲が無いからだと言います。
手元に置かなくてもひとつひとつのモノが自分の記憶に残っていくから、所有する意味があまりないと思っているそうです。
そんな話をしながら「買わなくても、見て回るだけのコレクターもアリかもしれない」なんて話に移っていきました。

たとえば、アンティークショップめぐりをして気に入ったものを発見したら、絵日記のように書き留めておくのも楽しいかもしれません。
そして本当のお気に入りに出会ったら、売れるかお金が貯まるまで何度でも見に行ってみる…。ジブリ映画「耳をすませば」では、主人公の月島雫ちゃんが、アンティークショップ「地球屋」に通っていましたね。

また、アンティークに出会えるのはアンティークショップだけではありません。
何十年もやってるような飲食店や床屋さん。店内をふと見渡すと、きっと何気なく置いてあるだけなんだけど、いつのまにか”アンティーク化”しているモノってありますよね。
「そういうのも、その場に生き続けている立派なアンティークだと思う」と須藤さん。手元に持って帰る必要の無い、そこにあるべきアンティークです。

まちなかを歩きながらもあちこちアンティークを感じることができたら、とても面白いのではないでしょうか。

アンティークを楽しむのに年齢は関係ない!

200年前の品物はお店でしか買えないかもしれません。
でも、見方を変えればアンティークを楽しむ入り口は意外とたくさんあるものですね。

「アンティークを楽しむのに、世代はゼッタイ関係ない」それが須藤さんの持論です。何十年、何百年、私たちよりずっと長く生きてるモノたちの生涯を見て来た人は、誰もいないのですから。

「自分の仕事は、モノを受け渡す仕事だと思っている」
モノの物語が続いていく、それがきっと、アンティークの素敵なところなんですね。それをつないでいくことに、須藤さんはとても価値を感じているのだと思いました。

どうでしょう、ちょっとアンティークのイメージ、変わりましたか?私は須藤さんにお話を聞いて、すごく変わりました。ぜひこれから、少し違う目線でアンティークを楽しんでみてくださいね。

20世紀ハイツ

*ところで、今回紹介した「20世紀ハイツ」は、2012年4月11日で吉祥寺のお店を閉店し、沖縄に移転する予定です。移転までの短い時間かもしれませんが、3月や4月のお花見の季節など、もし井の頭公園付近にいらっしゃることがあったら、ぜひ立ち寄ってみてください。