日本三景に数えられる名勝地、宮城県の松島。2年前の東日本大震災で、地震と津波の被害を受けたこの土地に、今年の9月、なんとバルーン状の可動式コンサートホールがあらわれ、一流の演奏プログラムが聞けるそうです!
持ち運びができるコンサートホール!?
9/27〜10/13の日程で、松島で「ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ 松島 2013」という音楽の祭典がおこなわれます。
その舞台となるのが、可動式のコンサートホール「アーク・ノヴァ」。音楽を中心にさまざまなジャンルの芸術や文化を詰め込んで、被災地を巡回することを目的に作られたそう!
空気を入れて膨らませたバルーン内部に、舞台や音響装置が設置されるそうです。
世界に知られる日本の建築家・磯崎新氏と、インド出身のイギリス人彫刻家アニッシュ・カプーア氏の恊働によって実現したこのコンサートホールは、音楽だけでなく、パフォーミングアーツや展覧会まで、様々な用途が想定されています。そして、被災地の津々浦々を訪れることができるよう、分解してトラックで持ち運べるように作られています!
また、今回座席の素材には、津波・地震の被害によって伐採されてしまった松島の杉が使われるそうです。
バルーン型というだけでワクワクするし、持ち運びできるコンサートホールなんてすごいですよね!!
東北と世界をつなぐ音楽の祭典
では、こんなコンサートホールでおこなわれる「ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ 松島 2013」って何でしょう?
これは、東日本大震災を機に「被災地に音楽と希望を届けよう」という思いのもと、スイスの音楽祭ルツェルン・フェスティバルが立ち上げたプロジェクトだそう。ヨーロッパ屈指の音楽祭で、現代最高の指揮者と評されるクラウディオ・アバド氏をはじめ、世界トップクラスのオーケストラ、指揮者、演奏家が集まるそうです。
今回の松島のフェスティバルでは、アバド氏指揮によるルツェルン祝祭管弦楽団の演奏、東北各地の中高生で結成された「東北ユースオーケストラ」の演奏、さらには歌舞伎や日本舞踊、ジャズフェスティバル、坂本龍一氏×大友良英氏の演奏など、盛りだくさんのプログラムが予定されています。
プログラム詳細はこちら!
実は、昨年TRANS ARTS TOKYOというイベントでこのコンサートホールのドローイングや模型が展示されており、たまたま見る機会がありました。「どんな場所にでも誰にでも芸術が届くシステムを作りたい」というコンセプト、大きな夢のあるプロジェクトでとても印象に残っていました。
磯崎新氏×アニッシュ・カプーア氏というビッグネームももちろんチェックしていたのですが、その時、こんな夢のようなプロジェクト、いったい実現するのはいつの予定なのかな!?と思ったのですが…
それが、もう開催間近。「被災地に文化を」という関係者の熱い思いが、こんな難しいプロジェクトを実現させたのだと思います。
一流の演奏を聞きに行くのと同時に、可動式コンサートホールも是非見てみたいですね!!
チケットやアクセス情報はこちらから。
まだ公式に情報などは出ていませんが、きっと松島以外の被災地へも、たくさんの芸術をつめこんで巡回してくれるはずです。ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァの公式サイト、今後も是非チェックしてみてくださいね!