”時”を感じる廃墟時計


廃墟時計

美人時計humanclockなどに代表されるように、
「〜時計」シリーズが多く存在しますが、
ここで紹介したいのがこちらです。

「廃墟時計」

実際に壊れた時計を撮影し、
それをつなぎあわせて刻を刻んでいます。
毎分スライドとなって写真がスライドするのですが、
美人時計などのように時計をきちんと表示されたものではなく、すでに壊れた時計を写しており、
だいたい合ってるものや、なかにはちょっと見にくいかな?
というくらいの写真が表示されています。
これらの写真はすべてflickrに保存されており、いつでも閲覧が可能ですし、新しい写真を送ればそれを実際に壊れたスライドに切り替えてくれる、ある意味でオープンプラットフォームなサービスともいえるでしょう。
(作者曰く、まだすべての写真は埋まっていないらしく、まだ写真を募集中とのこと)

廃墟時計 写真収集用スプレッドシート slots machine online @ Google Docs

作者の言葉を引用すると

”廃墟時計とは、廃墟にたたずむ時計たちの写真を集めて作った時計です。
壊れたり、建物ごと誰にも使われなくなったりして、すでに「時計」としての役割 (=人に時刻を知らせること) を果たせなくなった時計も、 1日に2度「廃墟時計」に登場することによって、再び「時計」としての役割を果たします。”

時計としての機能を果たさなくなった時計が、
こうやってつなぎあわせることで、本来の機能を取り戻させるというものです。

また、開発中の際のPV動画もyoutubeに投稿されています。
この動画を見ると、様々な時計が映しだされており、
古めかしい時計独特のノスタルジックな雰囲気を感じさせられられます。

このなんとも言えな様子に、物質の美学や建物の美しさを感じずにはいられなかったりするのですが、
8時15分
11時2分
の写真が、見ててなんとも言えないくらいの気持ちがこみ上げてきます。

その写真とは、
原爆の投下で時が止まった時計たち。
広島原爆が8月6日の8時15分。
長崎原爆が8月9日の11時2分。

時間というものは、誰しも平等に存在し、同じ時は一つといて存在しないものです。
その戻らない時をこの時計からは表現されていると同時に、
今の穏やかな時との対照さに、とても考えされられるものになっています。

それ以外にも、
昔の賑わいを偲ばせる風景、ヴィンテージ感あふれる時計、そして戦争・災害の目撃者となった時計まであらゆる壊れた時計が映しだされています。

表面的な美しさももちろんですが、こういうノスタルジックでいて、
しかも機能としても間違っていないこの「廃墟時計」、意外とiPadの画面などにしてても違和感ないんです。
時計を見るというよりも、
”時”を感じさせ、その時計の背後にあるそれぞれの物語性を感じさせる「廃墟時計」
全部の時間の写真が揃うのももうすぐだと思います。

廃墟時計