ハチヨン世代の生誕と終焉を科学してみた


akinaというひとは謎の趣味を多く抱えている、とよく言われます。
例えば「かちく」とか「高速道路」とかがそれに該当するのですが、そんな謎趣味(?)ラインナップのひとつに【グラフを使ったデータ分析】というものがあります。
元を辿れば大学のゼミでそういうことをやっていたから、ということに尽きるのですが、要は、表計算ソフトを使って各種数値データをグラフ化し、その折れ線や棒の連なりに萌え萌えするのでございます。その美しさといったら世界三大美女のそれを遥かに凌駕するものであると思われます。え、気持ち悪い?

…なにはともあれ、その趣味を少しでも還元できれば…ということで、コチラ!

「ハチヨン世代とはなんぞなもし。」

そう訊かれたら一言で答えられるような人間になりたい…そんなあなたのために、国が正式に発表している統計データを使ってハチヨン世代を分析してみました。
もちろん、ただ分析するんじゃ全然つまらないので、お酒の席で盛り上がること請け合い!なトピックを中心にピックアップしてお届けします。

今回の分析に使ったもの

今回は国勢調査のデータを使って分析をしていきます。


国勢調査の公式キャラクター「センサスくん」。お風呂に浮かべて遊びたくなるゆるキャラっぷり。

国勢調査についてカンタンに説明しておくと、総務省が5年に1回(西暦で5の倍数の年)行っている、人口や世帯の項目を中心とした統計調査。(詳しく知りたい方はWikipdiaを見てね。)
国が取っている統計ではおそらくいちばんオープンでみんなにとって身近なモノだと思います。会社や大学で参考データを出さなきゃいけない時なんかに意外と役立つので、覚えておくと便利。
ちなみに2010年はオリンピック&ワールドカップイヤーであるとともに国勢調査年でもあるのです。みんなちゃんと協力してね!

さて、なにを分析してみようか

先述の通り、国勢調査は5の倍数の年に行われるものなので、最新のデータが5年前の2005年。
となると、2005年〜2010年、つまりだいたい20代前半で大きく変化のありうる項目は避けた方が良いと思ったんだ。(=職業とか、世帯関係とか特に。)

第一回ということもあり、まずは「生誕と終焉」という、ごくシンプルな、でも大事な、まるで無○良品のようなテーマで分析することにしました。それでは、素晴らしきデータの世界へいざ!

ハチヨンは現在の少子化の走り世代

まず、日本の全人口のなかでハチヨン世代がどのような位置づけにあるかを見てみたいと思います。


(この図は人口ピラミッドといいます。昔はピラミッドみたいに末広がりの形状だったのだけど、今はご存じの通り、少子高齢化が進んであやしげな壷みたいなカタチになってしまっています)

全体で見ると、やはり団塊といわれる世代(60歳前後)が多いです。
その後一気にわーっと減るのですが、その後25歳下ぐらいにまたわーっと増えます。これはいわゆる「団塊Jr.世代」と呼ばれるところで、団塊のお子様にあたる世代ですね。親のボリュームが多ければ子も多い、という方程式がココでは成り立っています。
そこからまたしても減って、そろそろ下げ止まりかしら?というところが、ちょうど我らがハチヨン世代となります。
こうやってグラフで見てみると、ハチヨン世代を境にどんどん少子化が進んでいる感じがしますね。

ハチヨン世代のみなさんがもし後輩から先輩いびりなど受けた際は、「おまいらマイノリティのくせに!」と言い返してみましょう。データ的には我々が圧勝です。(逆に先輩にはなにもいえませんので、こちらは理論攻めでがんばりましょう。)

というのは冗談ですが、上に抱えるものは大きく、下を支えるものは小さい、という現代の問題をご理解いただけるかと思います。
でも「じゃあ子供作ろう」って安易に考えるとか、悲観したりしてはだめ!だめだよ!!
幸いながら幼き頃からハイテク技術などに囲まれているハチヨン世代には、これを数じゃなくて技術とかアイディアで解決する能力があると私は勝手に感じています。

ハチヨンの誕生月の特殊性

次に、ハチヨン世代の「誕生月」について分析してみたいと思います。

まずは日本全体の数値をチェック。1~3月に生まれる人が多いみたいです。へー。

そして、ハチヨン世代のみを見てみると・・・

(※平成17年10月時点で4月〜9月生まれの21歳と、10月〜12月、翌年1月〜3月生まれの20歳にあたる数値を抜粋)

なんと7~9月に生まれる人が多いのです。全体の数値とすごい違う!なんだこれ!

他の世代はどうなのかと思って、全世代(5歳階級)の傾向を見てみたのですが・・・

ハチヨン世代の15個上くらい、つまり70年代前半生まれを境目に、7〜9月に生まれる人が多いという傾向が現れているようです!
そしてハチヨン世代あたりは特に顕著に夏生まれが多い!
ちなみにごく最近のコは一年を通して差がなくなってきていることがわかります。

こ、これはちょっとした大発見なのかもしれない。なんでだろう!わくわくしてきた!!
ちょっと真面目に考察などしてみたいと思います。

□疑問点
1)なぜ我々の15個くらい上の世代で変化が発生しているのか
2)なぜハチヨン世代は特に夏生まれが多いのか
3)なぜ最近生まれた子は年間通じてあまり変化がないのか

□前提条件
胎児がお腹にいるのはだいたい10ヶ月。と考えると、夏生まれ(ハチヨンタイプ)は秋~冬の時期、冬生まれ(旧来タイプ)は春くらいに子作りをしている
 (→唐突にやらしい話ですみません、でも重要なことなので触れておきます)

○考察1)なぜ我々の15個くらい上の世代で変化が発生しているのか

この年齢層が生まれた70年代といえば
・高度経済成長終焉〜オイルショックの時期と重なる。
・学生運動が終焉に向かい、当時の学生は徐々に政治に興味がなくなり「遊び」へ走るようになる。
・総理府の「国民生活に関する世論調査」(1979年5月調査)で、 「物質的にある程度豊かになったので、これからは心の豊かさやゆとりのある生活をすることに重きをおきたい」とする人々の割合(40.9%)が「まだまだ物質的な面で生活を豊かにすることに重きをおきたい」とする人々の割合(40.3%)を初めて上回る。(Wikipedia先生談)

というところから、やや物資的に不足している状況が生成されつつも、高度経済成長が進んで国としてかなり豊かになった、というバックグラウンドが見受けられます。
つまり、生活が豊かになったことにより

・現在まで受け継がれる経済基盤=お父さんやお母さんのハードな働きっぷりの基礎ができたことで、春あたりは子供計画を立てている余裕がなく、比較的余裕のある秋〜冬に子供計画をたてるようになった
・生活が豊かになる=空調なども揃い始めたため、外気温が暖かくなってからゆっくり子作り、という物理的な理由ではなく、寒くなって“気持ち的に”人肌恋しくなる秋〜冬に子供ができる、という若干心理学的な理由が増えた

なんてことを思ったのですが、いかがでしょう。
もしかしたらもっと別の文化的要因もあるかもしれません。いずれにしても、自然な流れというよりは、時代背景と何か関連がありそうです。

もしくはクリスマスを楽しむ文化がここで発展して、クリスマス前に付き合い始める→そのまま子供できちゃったーとかね。そんなお父さんお母さんが周囲にいたらぜひご連絡を。

○考察2)なぜハチヨン世代は特に夏生まれが多いのか

ハチヨン世代というか「ハチヨン周辺世代」というのが本来正しいのですが、
なぜか他の世代と比較して飛び抜けて夏生まれの多いハチヨン世代。これはなぜでしょうか?
要は「秋~冬に何かがあった」ということなのか。もしくは、「春に何かがなくなった」ということなのか。
Wikipediaの「1980年代」の項目から考えられる条件からいろいろ考えてみたいと思います。結構適当なこと言いますがご愛嬌。

・第1回の全国規模のホワイトデー開催。(1980年3月)
仮説→ホワイトデー(3/14)がはじまったことをきっかけに、春に付き合い始めて半年後に結婚するみたいな文化ができた。もちろん新婚ベビーラッシュ。(ていうか、ホワイトデーってそんな効果あるのだろうか)

・テレホンカード発売(1982年12月)
仮説→公衆電話がプリペイドになったことにより、外からでも通話時間を気にせず電話をかけられるようになった。1年程度かけてカードが普及し、恋人や夫婦同士でも電話でマメに連絡を取る文化ができる。翌1983年の秋冬には「今夜欲しい」コールが飛び交ったとされる。(笑)

・東京ディズニーランド開園(1983年4月)
仮説→カップルや家族でディズニーランドに行く、という文化が約半年かけて定着。ひとしきり遊んだ夫婦が「次は子供といっしょに行きたいよね!」と思うようになり、84年夏季のベビーラッシュへ。(いまいちつながらない)

・ファミコン発売(1983年7月)
仮説→子どもたちの間でファミコンが爆発的ブームに。これはいかん、もっと他のことに興味をもたせなければ…と危機感を感じた親たちが、選択肢のひとつとして弟や妹をつくる事を発想。発売後の秋冬にかけていそいそと子作りを開始し、翌年夏のベビーラッシュ発生。(そもそもFCにハマったのがコドモではなく大きなお友達かもしれないですね)

・グリコ・森永事件(1984年3月)
仮説→グリコや森永の製品は子供に大きく関連づく。春に起こったこの事件は”あえて春に子供を設ける”というこれまでの思想に疑問符を呈し、事件がひととおり落ち着いてからでいいか、という考え方が波及。(それとこれとは話が別だと思う)

・インターネットが誕生した(1984年9月)
仮説→インターネットはエロとともに発展した。つまり、サイバーメディア上のエロが発展したためリアル世界で男性たちが年間通じてエロを求めなくなった。唯一寒くなる秋〜冬の入り時期にはサイバーものじゃなくてホンモノのおにゃのこがよくなったみたいです。(そんなわけない)

・オーストラリアからコアラ6頭が贈られた(1984年10月)
仮説→女性たちがみんなコアラに夢中になり「あたしは子供じゃなくてコアラがほしいのよ!」と言い始めた(っていう話を聞いたことがある人は私にメールください)

・ドラゴンボール連載開始
→みんなギャルのパンティーやパフパフが好きになって(もういいや

という感じで、これといって大きな要因があるとは思えず。なんなんでしょう。
これに関しては、『さまざまな要因が元となり…』というのが答えのような気がします。私の大学時代の恩師(人口学のスペシャリスト)にその是非を問いてみたい。ということで正式見解ナシ。

○考察3)なぜ最近生まれた子は年間通じてあまり変化がないのか

(1)とも関連するのですが、経済の発展とともに子供の数が減り、同時に「春(=生物界ではだいたい発情期)になったら子供をつくる」という傾向がなくなってきているのではないでしょうか、というのが私の仮説です。
あまりにも発達しすぎて、生物らしからぬ存在になっているというか。この傾向は今後も継続するような気がしています。

寿命、延びてる

誕生に関するデータを見たので、次は一気に飛んで「死」について見てみることにします。
私たちはいったい何歳まで生きることが出来るのでしょうか!
ちなみに、アニメやゲームでよくある、不老不死なはずのボスキャラがなぜ最後は主人公に殺されてしまうのか!?このカラクリについて熱く語ってくれる人募集中です。

さて、下のデータは各年の平均余命(解説はコチラ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E5%9D%87%E4%BD%99%E5%91%BD)にその年のハチヨン世代の年齢を足した数値となります。

すごい!ちょこぉぉっとずつだけど延びてますよ、寿命。

平均余命はその時代の死亡率など、複雑な要因を元に算出されているのですが
確実に私たちが長生きできる環境になっている、ということだと思います。
今日食べるご飯に困る人の割合が格段に減って、疫病についても次々に特効薬が開発されている…という状況の中、この現象は至極当然といえるでしょう。

ただし、この傾向が継続するかというと「?」なところがあります。
ニュース等で報じられている通り、不況により住む家がなくなってしまったり、自殺数が年々上がっていたり、、、と、本当に”みんなが生きやすい”環境になっているとはいえない状況です。
自殺の原因のひとつである「うつ病」なんかは、平和な国だからこそ存在するとかいいますけどね。

話が逸れました。
ハチヨン世代の皆さんは平均として80〜90近くまで生きられるみたいです。あくまでも、使徒襲来とか、アルマゲドンきたー!とか、富士山噴火とかが無ければ、の話ですが。
このコラムを書いている時点での年齢が24〜25なので、まだ人生の1/3も生きていないことになりますね!
なんか、まだまだやれることがたくさんありそうだなー!と思う反面、これからの社会人生活および老後をどう充実させよう?と悩んでしまうところでもあります。
今の仕事を定年まで続けて、あとは年金暮らし?
結婚して、子供をつくって、子供を自分の思うままに育てる?
会社を設立して、自分の力を世の中で試してみる?
まだあと50年以上残っている人生だもの、まだまだ夢はでっかく持ちたいものです。

それから、お気づきになっている、もしくは既にご存じかもしれませんが
いつの時代も男子より女子の方が若干長生きです。ほら、魚とか昆虫とかでもそうでしょ。
これは生物学的に仕方のないことなので、オンナノコはがんばって長生きしよう。
もしくは年下の男の子と結婚して、一緒くらいのタイミングで仲良くご臨終できるとステキだと思います(妄想)。男子の場合は年上のお姉様と結婚すると楽しくご臨終できるかもしれないね。

今回のまとめ:わたしたちにはやるべきことがたくさんある

こうしてデータを見てみると、ハチヨン世代がこれからやるべきことってたくさんあるんだなあ、ということがおぼろげながらも見えてきます。
大雑把に言うと、親世代を支える。後輩たちの負担を少しでも少なくする世の中にする。
尚且つ、自己実現についてもロングタームで考える。ということ。

時々、仕事をやっている意味だとか、結婚をする意味だとか、そういうのがわからなくなるときもあるけれど、やっぱりそのあたりに起因するんじゃないかなあと今回改めて思いました。
私たちが死ぬ間際に(ってまだ想像もできないけれど)「いい世代に生まれたなあ」「いい人生だったなあ」って思えるような、そんな日々を過ごしたいものです。

それから、私の方では分析しきれなかった「ハチヨン世代に夏生まれが多い理由」!
ぜひぜひ、何かご存じの方がいらっしゃったら教えてくださいね。それか、こんなトピックをネタに一度友達と飲んでみると面白いかもしれませんよ。

この記事を書いた人

akina
Web制作会社の営業企画担当。かちく×サイバーメディアをドメインに人生謳歌中。
Blog:I wish I were a AKINA

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